なれる!SEシリーズ
夏海公司著 電撃文庫刊のなれる!SEシリーズ(全13刊)について(構成も何も考えずにだらだら)書きます。
まずはなれる!SEシリーズの概要について。
いわゆるお仕事もののライトノベルです。主人公の仕事はタイトルにあるようにSE。冒頭で新卒入社したシステム会社の新卒社員が自分一人であると気付くシーンから始まります。
冒頭シーンから分かる通り、(場合によってはタイトルから分かる通り)ブラック企業で主人公が必死に働く物語です。主人公と同じベンチャーSIerに内定している身としては、書いてある内容が全く人ごととは思えずに内定者の間でホラー小説と呼んでいました。
あまりのブラックさに読んでいて途中で辛くなることもありましたが、最終的には主人公の調整スキルとなり振り構わぬ他力本願で解決に導く様は、ブラックであったとしても働いてみたいという危険な幻想を抱いてしまうレベルで爽快です。
そして、このシリーズ(と作者が同じガーリーエアフォース)の最大の魅力が巻数をまたいだ壮大な複線です。
具体的には1~10巻でずっとまいてきた伏線を11巻で回収する感じです。そして伏線を伏線と感じさせなくする技術がすごいあると思います。
ここから先はネタバレを含みますが、個人的に一番燃えたのは最終決戦で今までの最大の理解者であり最大の味方であった存在がことごとく敵に回り、今まで敵だった存在がことごとく心強い味方になる展開です。ライトノベルでこの展開はあまり見ないと思います。そして梅林がかっこいい(最初はかませ犬っぽかったのに。見事なツンデレにクラスチェンジ)
最後に、なれる!SEシリーズ。基本情報技術者の勉強にもなります!
少し言いすぎました。しかし、テキストで勉強した内容がストーリーの中で出てくることで、知識が生きた文脈の中に放り込まれ、知識が定着した部分は確かにあると思いmす。実務経験の疑似体験ですね。
作者が元SEでSEの仕事やネットワークエンジニアリングの知識に関しては割と正確な描写が行われています。