Netflix コンテンツ帝国の野望
NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業
- 作者: ジーナ・キーティング,牧野洋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/06/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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netflixコンテンツ帝国の野望を読みました。
netflixの創業期からブロックバスターなどの既存ビデオレンタル企業を倒産に追い込み、ストリーミング事業を軌道に乗せるまでを小説調で描いたノンフィクション作品です。
この本を読んだ全体の感想は「企業はシステムではなく人の集まりなのか」です。
ネットフリックスはその事業の変遷に従って創業者のランドルフからヘイスティングに代表権を移しています。見方によっては会社の乗っ取りにも見えますし、本書の中でもそのように感じるように編集を行っているように感じましたが企業を成長させるためには状況に応じたリーダーのキャラクターが求められるという点は理解できました。
たまたま今話題になっているwework運営会社のCEO退任も同じような空気を感じました。
そして本書の山場はなんといっても当時のビデオレンタル最大手のブロックバスターズとの闘いです。
この本を読むまでは、netflixの革新的なビジネスモデルによって多数の店舗を抱えるブロックバスターズは必然的に市場から退出したというイメージを持っていました。
しかしこの本の中ではブロックバスターズは始めはnetflixに顧客を奪われる一方だったものの挽回し一時期netflixを追い詰めています。
どのようにブロックバスターズがネットフリックスを追い詰めたかは実際に本を読んでもらうとして、最終的にブロックバスターズに止めを刺したのがCEO と取締役会のボーナスをめぐる対立から始まる退任劇と後任CEO の迷走というのは企業の在り方として面白いと思いました。
結局、アメリカではブロックバスターズをはじめとしたビデオレンタルの小売り大手が倒産したわけですが、日本ではまだTSUTAYAやゲオが生き残っています。
当然、両社はアメリカで起こったことを知っていると思いますが今後どのような生きのこり戦略を描いていくのかとても興味があります。