ソフトウェアエンジニアに向けて勉強中です(今は応用情報技術者、そのあとはjavaをやろうと思っています)。 ここでは、勉強のこと趣味のことを書き連ねて行きたいと思っております。

読書遍歴

アニメの感想、本の感想、資格勉強の内容、プログラミング学習についてなどを短くまとめます。

ブギーポップは笑わない (ネタバレなしの推薦文)

 

investment46.hatenablog.com

 

ブギーポップシリーズはより多くの人が読むべき作品です。その理由はブギーポップシリーズの異端性と個性的なキャラクター、そして有無を言わせぬ実績にあります。これから、「ブギーポップシリーズとは何か?」という問いに答えた後に読むべき理由について詳しく書いていきます。

 

 

 

ブギーポップシリーズは「ブギーポップは笑わない」より始まる上遠野浩平氏著のライトノベルシリーズです。ブギーポップという存在が世界の敵と戦う、というストーリーの小説です。電撃文庫から刊行されており、電撃文庫の方向性を決定づけた作品とも言われています。

 


そんなブギーポップシリーズが他の作品と異なる点はまず、その異端性にあると思います。ブギーポップシリーズでは通常の小説では禁じ手として扱われかねない手段を多く使っています。たとえば時系列のシャッフル、人称の入れ替わりです。うっかりしていると時系列を見失うこともありますが、それでもストーリーが纏まっているというあたりに作者のバランス感覚の巧みさを感じることができます。

 


次の理由は、キャラクターです。ブギーポップシリーズはほぼ全てのキャラクターに対して強い個性を付与することに成功しています。個性の付与に成功した要因については様々な要素があるでしょうが、一つにキャラクターが独自の哲学や行動指針を持っていることが挙げられると思います。哲学や行動指針は時に進路のような身近なものから、自らの存在理由に至るまで多彩で苦悩の形をとっているものも多いです。このような哲学を持っていることで短い登場時間でも感情移入を誘い、強い個性を放つことができているのです。

 


最後の理由は20年以上読まれ続けているという実績です。累計発行部数こそ480万部と圧倒的なものはありませんが(それでも十分すごい数字ですが)、毎月5冊程度新刊が発売される電撃文庫にあって20年間増刷され書店に並び続けるとは並なことではないと思います。ブギーポップシリーズは純粋なエンターテイメントとして読むべきなのはもちろんのこと、時代の潮流に流されない古典文学として読むべき作品であります。

 


思うにブギーポップシリーズは構成の異端性とキャラクター中心という正統性のバランスによって読み手に混乱と安心感を混ぜ合わせたものを提供しているのではないかと思います。そして、その混合物が魅力的なものであることは20年という数字が証明しています。

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